COLUMNコラム

事業承継問題と一次産業

私が働き始めた10年以上前から叫ばれ始めた「2025年問題」、

いわゆる中小企業の後継者が不足していることに起因する事業承継問題。

この問題を解決すべく、

・事業承継M&Aアドバイザリー会社の台頭

・事業承継税制の新設

・公的機関による承継支援

など企業や国を挙げて様々な施策が打ち出されてきています。

 

少しずつですが、成果が見え始めてきているものの、

まだまだ直面している(するであろう)会社の絶対数が多く、

今後もこの問題は加速度的に増加すると予想されています。

 

さて、この問題、業界を問わず様々な会社で起こっていますが、

最近私が知ったのは、一次産業である農業の「耕作放棄地」の問題です。

 

農業の担い手は高齢化の進行が著しく、尚且つ肉体労働であるがゆえに

後継者不足が深刻です。

 

せっかくそだてた農作物も、収穫のための人出が足りないせいで、

収穫が放棄されている、もしくは農地自体が放棄されているところが数多く存在するようです。

これは、一種の食品ロスに近い状況に思えます。

 

この解決策としては、

「農業に関心のある若手、外国人労働者と高齢化が進んだ農家を繋ぐプラットフォーム作りと

そのプラットフォームを盛り上げる農業関連事業会社のバックアップ」

のようなものがあったら、と思いました。

 

また、日本はかれこれ20年以上農業の成長が横ばいになっていますが、

世界的に見ると、中国やインドの農業成長が著しく伸びているようです。

これは、単に人口が多いとかGDPが伸びているとかいう理由ではなく、

国を挙げて生産性向上や従事者の増加を後押ししている影響と考えられます。

 

一般的には、アジア諸国は日本経済の後追いと考えられており、

「日本の高度経済成長期に実施された施策をアジア諸国で行うと成功する」と言われていますが、

農業を始めとした一次産業については、日本からアジア諸国から学ぶことは多そうです。